ウェアラブルとユビキタス

1月31日、今年度から神大工学部に移動した塚本昌彦先生の講演会が和大にて行なわれた。
参考: チームつかもと
情報のレア度:★★★★★
ブっ飛び度:★★★★★
信頼度:★☆☆☆☆
総合:★★★☆☆
まず、ウェアラブルコンピューターとは、「いっつも身に付けてる衣服のようなコンピュータ」で、特にヘッドマウンドディスプレイが代表格。はやい話が「スカウター(ドラゴンボール)」です。塚本先生はこれをもう、4年間ずーっとつけて生活しているそうです。
その奇特さと塚本先生の風貌の如何わしさが、大学の助教授というよりも、ハチマキ締めた「予想屋」のようでとても面白い講演会。


さて、内容は・・・
技術的な話というよりも、いかにウェアラブルを普及させ、市場を立ち上げるのかの戦略の披露。
ドデカイ市場を立ち上げて、コンテンツづくりをやればあなたは勝ち組! ウェアラブルの将来性を「信じよう!」  一緒に普及を促進させ、勝ち組になるのだ! タレントさんと仲良くなれるかもしれないゾー!というもの。
コンピュータの歴史をふりかえると・・・
1、国家的利用(大陸間弾道ミサイルの軌道計算)にはじまり、
2、→企業の合理化(銀行の基幹システム)に、
3、→そして個人利用(文書作成・メール・ブラウジング)に使われている。
CPUは爆発的に高速化・小型化・集積化したが、使われ方はより「しょーもない」方向に向かっている。つまりより「日常生活」に使われる方向にあるということだ。これはいっそう進み、より生活に密着し、より「しょーもない」使われ方をされていく。それがウェアラブルなのだそうだ。
で、何が普及のポイントか?というと・・・それはバッテリー持ちだとか便利さだとかもあるけれども、一番大切なのは・・・
「かっこよさ」
だという。キャンギャル(笑)がHMDつけて微笑んでいる写真が次々出てきて、「このイメージが大切!」「コンピュータ史上画期的!」
塚本先生が「予想」するように、ウェアラブルが大ブレークする日が来るかどうかはまったく未知数だけれども、確かにありえない話ではない。世の中とは、想像を超えるようなことがほんの数年で「普通」になっちゃうことが多々あるのだから。
さて、個人的に重要かつ現実の話だと思ったのは・・・
・これまでPCやネットの世界は「仮想空間」だった。でもユビキタス・ウェアラブル化で、生活空間とPC・ネットが融合する。もやは「仮想空間」ではなく、現実の空間の話になる。
・ウェアラブル・ユビキタス社会では、情報を売買する市場がとんでもなく大規模に広がる。で、コンテンツを売るサイドビジネスが一大産業となる。その担い手は企業ではなく個人。フリーター倍増社会の到来!
で、ウェアラブル・ユビキタス社会について危機感を感じたのは・・・
・大衆がたくさんの情報から自ら判断して行動を選択するとは思えない。大衆はウェアラブル端末から「価値づけされた情報=マニュアル」を得てなにも考えずに行動することを好むのでは? もしくは口当たりの良い情報だけを選んでその世界に埋没するのでは?(hira)
ということだった。東浩紀のいう「動物化」を促進するデバイスそのものでは・・・と。
と、まぁ、そんなことを考えたが、この講演会を聞いて学んだこととは・・・
研究とは、「成功するのだ」という動機があり、そのエネルギーでやるもの、ということ。
(97%以上の男性率の会場で、キャンギャルを大写し! 煽る煽る(笑))

ウェアラブルとユビキタス」への3件のフィードバック

  1. 鬼ごっこおもろいね。ゲームが仮想空間から現実空間へ。まんま「スカウター」やん!ただ、鬼ごっこがハイテク化したのは結構昔で、いわゆる「サバゲ」からトランシーバーや暗視デバイス、人感センサーなんぞが使われていたように思います。エコBB弾とかもあるなー。
    坂村先生って結構建築の雑誌に出てると思う。「電脳住宅」のころはもっと出てたらしい。アメリカがTRONを潰す前のことだけど。

  2. 僕も講演会を聞きました。無知なぼくには新鮮なことがいくつかありました。一番印象に残ったのが、子供のゲームの話。今では不健康と考えられているゲームをウェアラブルの普及した近い未来には、電子鬼ごっこなどにより、外で健康的に走り回るというのが印象的でした。イメージが大切というのはまさにそのとおりだと思いました。塚本氏の言葉にはペテン師となりえる説得力があるように感じました。健康やセキュリティーというような現在の話題(安易な気もするけど・・・)を交えながら、わかりやすいイメージを提示する、というのはおもしろかったです。ファッションとして、かっこいいかどうかはかなり疑問ですが・・・。

  3. ウェアラブル、、、う〜んって感じでした。
    小さい頃はスカウターとか変身ベルトに憧れてはいましたが、20代の東京の若者がみんなアレを付けるとはとても想像できません。
    それこそ東京の若者にターゲットをしぼるより、バイクのヘルメットから改良すべきだと思いました。
    やっぱユビキタスの方が流行りそうですね〜。
    新建築の今月号見ましたか?坂村健が出てましたよ。
    新建築に載るようになるとはいよいよ来ますね、ユビキタス時代。

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