コミット!

ちょっとまえに依頼されて書いた新歓時期のフリーペーパーの没原稿。
タイミング的にいいので掲載!


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■コミット!
さて、「とりあえず」桜が咲き、春が来た。
あなたは、「とりあえず」大学の敷地に立ち、多量の紫外線と新歓の声を浴びながら履修届を書くことになる。「とりあえず」4年で卒業する計画をたて、必修科目を漏らさずとり、費用対効果を考えながら選択科目を選ぶ。「とりあえず」彼氏を見つけられそうなサークルに入り、割りの良いバイトをはじめてみることにする。あなたには「とりあえず」役割とタスクが与えられ、「とりあえず」次の春までは「やることがないという不安」からは逃れられそうだ。
うん、よかったね。
でも、ひょっとしたら、あなたは「世界は徹底的に退屈」であることに気がついているかもしれない。「とりあえず」履修はしてみたが、その講義がおもろいとも、得た知識で世の中が良くなるとも思っていないかもしれない。これはルールでありレールであり、逸脱は馬鹿を見ることを充分学習しているからだ。卒業証書は(いまのところ)多少は役に立つ。「とりあえずもらっとく」のは合理的な判断だ。退屈な4年間を「とりあえず」過ごしとくのも悪くはない。単純にスキルを得ることが目的なら、逆に大学はホドホドにしておく方がいいくらいだ。語学ならば航空券にお金を使うべきだし、会計士になるならば専門学校に行った方が効率がいい。スキルは手段、退屈だけど手際よく、パパッとつかんじゃえばそれでいい。ネットでググれば大抵の情報は手に入る時代なのだ。手際よくスキルを得るには大学は効率が悪い。
はっきり言おう、世界はとことん退屈だ。が故に、この退屈な世界をどうやって楽しく気持ちよく過ごすか? が一番重要になる。これまであなたは「将来のため」に「いま」を我慢をしてきたことだろう。でも我慢の末に手に入れる将来も、結局は途方もなく退屈だ。そんなことより、「今、それをやり遂げること」に、どれだけ価値を置けるか、が重要だ。 やり遂げることで、どう人生を楽しめるか? どうやったらもっとすげぇ充実感を得られるか? 達成した時の、突き抜けるような爽快感はどうやったら得られるか? 正々堂々、人に喜ばれ、肌で実感できる、クオリティの高い達成感。 その試行錯誤のためにこそ、大学4年間は存在する。
では、なにからはじめればいいんだろう? まず、ひとつの場所やモノ、人に徹底的にコミットすることだ。徹底的にコミットして徹底的につきあう。その場所やモノ、人がハッピーになることに打ち込み、それを自分のヨロコビにしてしまう感性を磨く。
なんにコミットすればいい? そんなものは何でもいい。たいしたものでなくてもいいし、理由なんてなくていい。偶然、しがらみ、大いに結構。身近でなにかと機会があり、正しいことをしていると、ちっとくらいは実感持てて、わずかながらも「達成感」を感じられれば、何でも良い。直感的に「いけそうだ」と感じたら、どんどんコミットしたらいい。合わなかったら最初からやり直せばいいだけだ。
それでも見つからないなら、自分から世の中を面白くしている人を見つけよう。そいつをトレースすればいい。忙しそうだけど何故だか楽しそうな人、しんどそうだけど全然可哀想に見えない人、そんな人をつかまえて、その話に「まんまと」のる。それが一番の近道かもしれない。
さて、「とりあえず」桜は咲き、春が来た。コミットメント、これで人生ウハウハだ。

コミット!」への4件のフィードバック

  1. うーん。トップページで面積が小さいので見落としてました。すみません。
    「コミットメント」
    うちの新聞で引用させてくださいっ。

  2. いや、単なる文字数で、
    これを半分にしようと思ったら面倒なんで、別の話にしちゃいました。
    大学は短期的にはかなり無用、長期的にはかなり有用、でもそれは本人の心掛け次第、ってことか。

  3. 内容が原因でボツッタのですか?
    読めば読むほど、大学っていったい・・・となってしまいますし、いらんとも思ってしまいますね。
    つまり大学って「暇」なことがもっとも大きいんでしょうね。コミュニティだって、大学以外のほうが広がるし(地方大学ならなおさら)。
    ところで、ボツらなかった原稿はあるのですかね?

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