ESCO_岸和田競輪場コンペ

2005年10月21日は、和大シス工10周年記念のパーティーが行われた。授業日の午後なのだが・・企業担当者向けという意味もあり、そうなったらしい。教官は必ず出席せよとのことだったが(授業はどうなっているの?)企業担当者向けなので、基本的には助教授以上でないとホストの役割は果たせない。同日、省エネルギーの懇談会委員をしている岸和田市にて、ESCO事業のコンペがあった。同じ委員の吉田助教授は10周年記念パーティーに出るということなので、私は岸和田市へ向かう。(設計演習は宮川先生+TAにて行う)
ESCO事業については、以前触れた通り。どんどん押し進めたらいいと思う。予算がかからないのだから、1年で同時にいくつも導入してもいいんじゃない?とすら思う。
コンペの審査は、適正な手順を踏んでいるように感じられた。特定のグループに有利になるような情報が事前に廻ったとか、少なくとも私自身は聞いていない。


さて、10日ほど前に、岸和田市から3グループのコンペ提案書のコピーを受け取り、審査してきた訳だが、いくら建築系とはいえ、集落・住まい・学校の専門である私が、空調設備の最先端の些細な違いが分かるはずも無い。結果、前夜に情報収集することとなる。
エネルギー消費の要は、空調の熱源だと言うことは分かっている。小さな建物ならばヒートポンプというやつだ。大きな建物ではガスを使って冷暖房の熱をつくりだす。ボイラー室とか、聞いたことあるよね? 建築では機械室をとりますが、あの機械室はまず、このボイラー、そして変電・配電、受水槽などが入る。省エネ気運が高まったおかげで、この数年、熱源の高効率化が進んでおり、熱源を最新式に交換すると省エネに大きく役立つ。
他にもインバーター制御や、デマンドに応じて効率よく設備を運転するシステム提案や、電灯の白熱球を電球型蛍光灯に変えたり、節水コマを取り付けたり、ファンベルトを交換したり(これはとても効果が高い)するが、これはどこも似たり寄ったりで効果もあまり変わらない。
しかし、重要なのはなんと言っても、熱源をどうするのか? 熱源がエネルギー消費の8割を超えるのだから。
で、提案書を見ると、エネルギー的に有利な提案を行っているのは、COP値=1.42という高効率熱源を導入しているグループ。これには訳があって、大温度差型という熱源をつかっているからだ。熱源から出る温熱・冷熱がかなり激しいものとなる大温度差型は、熱源だけではなく、各部屋の空調設備や熱媒体配管も取り替える必要がでる。これはとても重要な違いに、私は感じた。
が、これにはあまり触れないんだな・・・いともすんなりとかわされていく。制御システムのOSがWindowsで使いやすい、とか、遠隔操作が出来る、とか・・(セキュリティ大丈夫?)、市民啓蒙で風車を取り付けます、とか、どうでもいいところが詳細に渡って説明されていく。
「熱源の大温度差であるかどうか?が今回のコンペのキモ」というのは、ひょっとすると私の勘違いかもしれない・・とおもいつつ、役目を果たすべく発言する。二次側の改修は少なくて済むという説明がなされ、結局はこの大温度差型が「最優秀」となった。
このコンペではもうひとつ、懸案事項があった。「ウチと契約すると、ガス(電気?)代大幅に安なります!」という、エネルギーの値段の割引を付けてきたグループがあった。
ただし、これだと全然省エネにならんし、CO2削減という目標とは異なる方向に向かってしまう。私も含めて審査員には、この提案は全くの逆効果に受け取られた気がする。
(なお、グリーン電力購入を用いてCO2を減らすという提案もあった。これは以前、委員会で話題にした)

ESCO_岸和田競輪場コンペ」への2件のフィードバック

  1. 設備更新のコンペです。
    立て替えとか改修とかではなくて。
    (本文書き直しておこう)

  2. コンペって、何のコンペなんですか?まさか建て替えたりするのですか・・・?

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