1953年の「コアハウス復興住宅」、59年後の姿

有田川町三田の災害復興公営住宅(1953)

この住宅、1953年に和歌山県中部を襲った、7.18水害(ニッパチ水害、紀州大水害とも言われる)の復興公営住宅です。

ただ、復興公営住宅だったのは、青くペンキ塗りされたセメント瓦の部分のみで、その後大きく拡張され、今では周辺の民家と同じような佇まいになっています。

おもしろいでしょ?

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奈良・十津川村の木造応急仮設住宅

2011年台風12号災害の応急木造仮設住宅(奈良県吉野郡十津川村平谷)

7月中旬に、2011年紀伊半島を襲った、台風12号災害の仮設住宅を視察してきました。

奈良県では仮設住宅の約半分が木造で造られました。
残念ながら同じ林業県である和歌山ではすべてプレハブ建築協会の鉄骨造の仮設住宅なので少し悔しい。

奈良の木造、これがなかなか素晴らしいものでした。

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海外研究と通信インフラ

ここしばらく,ずーっとフィリピン・カリンガの研究に戻っている。
これまで集めまくった,多量の調査資料をアタマの中に入れるべく,集中して読み込んだ。
いや,なんでもかんでも調べてあるなぁ。我ながら驚く。
半年のフィールドノートで30万字。村の口伝歴史から一人一人の村人の系譜,200カ所を超える地名の意味,数千枚の棚田,100件の家,100件の米倉,50件の小屋・・・・日本にいながらにして村が再現できる。
それでも,資料には取りこぼしがある。
あれ,これ聞いてないな・・・
my host family checked my sheet of rice terrace ownership. Kalinga/Philippines,2007
(2007年,棚田の所有者調査で間違いを訂正していもらっているところ。特に持ち主を世帯で調べていたのだが,夫婦別財の社会であるので,夫婦どちら側なのかを全て調べ直した。)

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もう、すごいことに!

Butbut Proper village 2007, Tinglayan, Kalinga, Philippines
フィリピンから帰国。
村は遠い。
ニューヨークを10だとすると、200くらいの距離感。
時間的に3倍かかり、体力消費的に50倍かかる。ただ金銭消費的には1/2だけれど。
いつものことだけれども20キロの荷物(大半が機材)を担いで山道を登っているときには、もうダメだと思ってしまう。
で、例のごとくボロボロになって村までたどり着いてみると、
もうそれはすごいことに。
村は一変していたのだった。

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宇宙と住まい

(ずいぶん前に書きかけてアップしてなかったエントリーです。機を逸してます(笑))
先日、和歌山大の教育COEであるクリエ(CREA)の講演会が学内で行われた。講演者はセルカン先生。ドイツ生まれのトルコ人で、トルコ初の宇宙飛行士候補で東大助手、イェール大やらバウハウス建築学校やらの建築を修め、「宇宙エレベーター」という著書でも知られる。(この著書の帯にはデカデカと「坂本龍一氏推薦」と書いてあるw)冬季オリンピックでスキーのトルコ代表チームで金メダルも取ったとか。トルコ・ドイツ・英語・フランス・スペイン・日本・ラテンの7カ国語を操る。
略歴を聞いても、話を聞いても、その脳力がとても魅力的。こういうのは直接そのひとを生で見るといい。ということで、ゼミを途中でストップしてゼミ生総動員で聴講する。

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