聴竹居の屋根瓦は黄色かった

the Kyo-chiku-kyo façade
8月2日のことだけど,
本多・平田ゼミの面々,30名で藤井厚二のモダン住宅の名作,聴竹居を見学した。
竹中工務店設計部の松隈章さんのご紹介。
本多教授とは元同僚だそうである。
松隈さんは,ボランティアで「聴竹居倶楽部」を立ち上げ,建物の維持・管理や見学者への対応を行なってくださっている。
頭が下がる。


聴竹居は指定こそされてはいないが,明らかに重要文化財クラスの建物。
ドコモモ選定され,藤森照信解説のDVDも販売されている建物である。(これは放送大学で放送された)
重要文化財に指定されていないのは,単に申請していないから。
だから指定されるのは時間の問題だと思われる。
さて,この住宅の素晴らしさは,
1,見事にローカライズされたモダニズム建築(単に西洋を輸入したのではない)
2,徹底した気候対応(科学的な環境工学を駆使)
3,モダンなあたらしい生活像の提案(イス座,家族,健康)
である。
聴竹居には,戦後の住宅建築が切り捨ててしまった要素がまだたくさん残っている。この住宅の考え方が日本の主流になっていたらなぁ・・・と思うところがたくさんある。おもしろい。
この住宅のもう1つの見所は・・・,
4,数寄
である。
もう,凝って凝って造っている。
簡素に見えて,凝りまくり。
木材は節目の無い,一枚もの。(バルコニーの縁甲板に継ぎ目が無い!)
サンルームのガラス戸の桟を止めるマイナスネジのネジ頭の「マイナス」の方向が全て揃っている!さりげないから気がつかないけど,気がつくと,明らかにやりすぎである。
お金もかかったことだろうなぁ。
とにかく,みてて面白い。
ちょっとスカルパ的面白さがある。
で,今回見に行ってはじめて知ったのは,
瓦が黄色かったこと。
yellow roof tile
これは建設当初から黄色なのだという。
聴竹居は,勾配の低い金属屋根だがが,屋根の最も高い部分には一部瓦が使われている。勾配が低く,中央部分にしか葺いていないから,ほとんど目につかない。
この瓦がまっ黄色なのである。
うーん,なぜ?
熱を反射させるため?
松隈さんにも理由はわからないという。
だれか知っていたら教えてください。
誰も知らなければ,京都の方,論文のネタにいかがでしょうか?
聴竹居はずっと非公開だったのだけれども,現在は比較的見学しやすいようになっているという。
松隈さんたちが,この資産を眠らせるのは勿体ないと,ほとんどボランティアに近い形で可能な限り公開しているのだと言う。
http://chochikukyo.com/

頭が下がります。
とてもよい見学会でした。居間の連続感,よかったです。
(見学の後,本多ゼミでは,保存のために,わずかながら協力金をお渡ししました。)

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