和歌山大学の「秋のオープンキャンパス」にて、フラードームを組み立てました。
2007年には、105枚の段ボールを使ったフラードームを小学生と組み立てたが、今回はもっと小さく簡単で安くて、解体出来るものを目指しました。接着しないのが目標。すべてクリップどめ!です。
和歌山市内の段ボール製造メーカーの「オカジ紙業株式会社」さんより、地域貢献活動として、段ボールの無償提供を受けました。3mm厚、950mm×950mmの段ボールを車一杯、頂きました。(ありがとうございます。)
頂いた950mm正方形の段ボールのサイズからとれるパーツでできるドームの大きさを計算します。
簡単なドームということで、2Vという形、パーツ40枚で半球ドームを構成させるタイプに決定。
半径は1200mm。この大きさだと、950mm正方形から、2パーツとれるのです。
パーツの大きさは、「Desert Domes」のサイトにある「Calculator」を使うと簡単です。半径1200を入れると、A:741.6、B:655.8、と計算されます。
三角形は2パーツ、
AAAという、741.6mmの正三角形(10枚)
ABBという、741.6mm/655.8mm/655.8mmの二等辺三角形(30枚)
です。
私は小数点以下は切り捨て741mmと655mmで造りました。
これに、糊しろとなる部分(ここでは「リブ」と呼びます)をつけたパーツを切り出します。
今回、リブの大きさは35mmとしました。これ、1メートルの金尺(ステンレス製の定規のようなもの)の幅の大きさなんです。いちいち測らなくても良いので、切るのが簡単なんです。
せっかく、1枚の段ボールから2パーツとれるので、2パーツをつなげた、ダイヤ型のパーツを切り出してしまいましょう。切り離す手間も、貼付ける手間も、大幅に減ります。
AAAとABBをつなげたもの(Xセットとします)が10セット、
2枚のABBのB辺どうしをつなげたもの(Yセットとします)が7セット、
ABB単体(Zとします)が6枚。
三角形は金尺一本あれば、段ボールに直接下絵が描けます。一度、下絵を描けば、4つの頂点に、シャーペンで穴を空けておきます。それを別の段ボールの上に当てて、印を付ければ、どんどん段ボールが切れます。
金尺の両端を穴に合わせ、金尺の反対側の面で切り離せば、リブをつけることができます。
慣れていれば、3時間でパーツが切り取れます。
各穴を結ぶ線には、折り目をいれます。カッターの刃を出さず、印だけつけるようにしました。リブの印部分は「谷折り」にします。「山折り」だと段ボールがちぎれやすくなり、大きさも誤差が出ると思います。
組み立ては、結構複雑です。各辺3カ所、クリップでとめて行きましょう。
通常、2V型を組み立てる場合は、ABB5枚で5角形を6セットつっておくと比較的簡単にできます。
しかし、今回は2パーツが繋がっているので、これは出来ません。
私の場合は、以下のようにしました。
XセットとYセットを接合して5セットつくり、これをつなげて、一番下の段を造ります。
つぎに、XセットとZをA辺どうしをつなげたものを5セットつくります。これが二段目です。
一番上の段は、Yセット2枚とZを繋いで、正五角形の形にしておきます。
なお、Zのうち3枚を「PPプレート(樹脂板)」という、半透明プラスチックの段ボールを使用しています。
すべて段ボールでつくると、内部が真っ暗になってしまうから。PPプレートはホームセンターで売っています。600円くらい。
さて、組み立てている最中、とくに最後のパーツでフタをかぶせるように組み立てる時は大変です。フニャフニャで、手で支えるのが大変。下では荷重が集中してしまって、クリップが飛んでしまう。そこにクリップをいくつか留めて対処します。
しかし、すべてのパーツが組み上がったら、あら不思議。突然カチッとした丈夫な構造体になります。
ここまで来たら、余分なクリップをとってしまいましょう。各辺2つで十分です。
なお、今回はリブを外側に組み立てています。クリップで留めるので、リブを内側にするのはちょっと無理。
解体時は、クリップをどれだけ減らせるか、試しながら進めると楽しいですよ。
片付けはあっけなく、10分くらいで終わります。
材料
段ボール:3mm×950mm×950mm、20枚
PPプレート:910×1820mm、1枚
Wクリップ:120個くらい
組み立て最小人数:大人4名(子ども3名+大人1名でもできると思います)