金沢21世紀美術館

一週間前になるけど、30日は呉羽中学のあと、特急「しらさぎ」に乗り、金沢へ。
竣工したばかりの妹島+西沢/SANNA の21世紀美術館へ。
もちろん、建築を見るのも、作品を見るのも目的。
今回はもうひとつ。
C.A.P.で一緒だった木村健さんがプログラム・コーディネーターをやっていて、会えたらいいなぁ、と思っていた。しかし、いかんせん時間がない。
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総合評価:★★★★☆(良い!きれいだ)
(建築:★★★★、美術:★★★★★)


まず、建築について。
内と外が交流していて、また外に対してとてもオープンで、気持ちがいい。
美術館の中をうろうろとさまよう感じがとても非現実的。
妹島建築は、吉阪隆正と全くの正反対で、完全に生活臭や人間くささを漂白する。
それは「神殿、もしくは監獄」であることは間違いない。けれどもその非現実さが「アート」にとてもマッチしているように感じる。展示物に、「人間を真空パックする体験型装置」があったけど、まさにそんな感じ。自然も人間も芸術も、奇麗にパックされてショーケースに入れられている。
そういや現代アートって、結構「パッケージング」だな。
建築的には、壁面を中心に考えられていた展示、を立方体(空間)を中心に置き換えている。だから全く別の部屋が並んでいる感じ。アトリエ型美術館に似ている。(C.A.P.Houseってアトリエ型美術館ですね。)従来型なら「一筆描き」動線で、流れるように作品を見ていったのだけど、この美術館は「部屋」が島のように浮かんでいる感じ。巡っているとR.P.Gのようだ。「スライムが現れた」見たいに(笑)展示に出くわす。なんだかとてもデジタル的。クリックすれば世界が変わる、という感じがする。
外部と内部が上手く混じり合っている。中庭がとてもいいし、公園の真ん中に円形の建物がガラス張りになっていて、よく見えるのもよい。しかも、美術館の外周回りは無料で入れる。まさに公園。
ただし、全部ガラス越しの内外交流。音も聞こえない。外には出て行けない。はめ殺しだから風も入らないし、開けられない。感じとしては「水槽」です。
床がすべて土間コンクリート。目地処理が面白い。
空調処理は参った。普通はやらんよな。空調を隠すため+目地を少なくするために壁際の床から吹き出し。(壁に作品展示すると温風・冷風が作品に直接吹き付けることになる!)
■まとめ
白くてとても奇麗。デザインされている。アートもとてもハッピーだ。非現実さがいい感じ。
夏に冷房の良く効いた、いい感じのカフェでダージリン飲んでいる感じだ。
ただ、コントロールされているが故に、「異質感」がない。何かを排除して成り立っている感じがする。多分それは「臭い」であるとか・・うーん、五感を最大限に使ったような、そういった感覚が閉ざされていることなんだろうと思う。いや、バーチャルなんですよね。体験しているはずなのに記憶がバーチャルになる。
アーチストはハコを超える能力があるから、きっとこの美術館を軽々と超越する作品が出来ることを期待します。
それから、この建物は確実に汚れてきます。汚れると良さが半減します。見に行くなら、早めがいいと思います。
タレルの部屋、プールは特に人の少ないときにじっくり見るのがいいですよ。
プール
■会えた!
木村さん会えました。
タレルの部屋で話しました。雨が落ちてきてとても奇麗だった。
運営側として、この美術館建築がどうなのか?も聞いてみました。
いい面、悪い面、いろいろあるようです。
20041108-takeshi.jpg

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