集合住宅:設計製図ジュリー

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2月8日、設計製図のジュリー(作品講評会)を建築家・建築批評家である平山明義先生(大阪市立大学非常勤講師)を迎えて開催。中間はどうなることかと思ったが、最終には昨年を確実に上回る出来になった。全国的にも高いレベルにあると思う。
今年の後期製図は昨年と大きく異なることがある。


一つは非常勤講師の廃止。国立大学の独立行政法人化にともない、人件費の削減が行なわれた。TA費用は最大限確保するが、非常勤講師を完全カット。残念だが致し方ないことだろう。だた、「建築や環境の見方とはいろいろあって、同じ建築でもある人は評価するけども、ある人は評価しない、なんて普通」ってことを知ってほしいし、教官が少数では評価されない学生も出てきちゃうから、出来るだけ多様な講師陣を揃えておきたい。
それで教官のコネで外部ジュアラーを招待し、学生をインスパイアする方針にした。
二つ目は、課題が3課題になり、ランドスケープが出題された。こいつはとてもおおきな冒険だったんだけども、学生の踏ん張りとTA・教官の意識改革によって乗り切った。はじめての試みというのは大変だが、私自身勉強になった。
3課題になり、当然作品の質の低下が一番心配だったが、むしろ質は向上したと思う。
三つ目は、林田講師のコミットメント。構造・プライバシー・建築構法などより現実的なアドバイスはとても説得力があり、演習の厚みを増した。これはとても大きい!
さて、設計製図のモデレーターとしていつも思っているのは、「学生をインスパイアすること」につきる。インスパイアする時に、一つの方向ではなく、いくつかのチャンネルを用意し、各自が先に進めるようにしておく。あとは安易な計画に「ダメ出し」する。
「建築」以外の分野の人たちにとって、この設計製図をどう位置づけるか?も重要だった。「調査・研究」ではなく「環境の創造」というアプローチを、この演習の中で知ってほしいと思ったわけだ。そして、深く考えればそれはなかなかいいものが出来るということを体験し、そういったパースペクティブを持った人材として送り出したいと持っていた。
毎回思うのだけれども、優秀な作品は個人の資質(がんばり)とTAの存在に多くを負っていると思う。
それにしても、いい作品が出来たと思う。和大生はもっと自信をもっていい。
P.S.
しっかし、会場寒かったね!
やっぱ、冬に1Fでやるのは止めよう!第一課題だけにしておこうかな。
いや、すまなかった。

集合住宅:設計製図ジュリー」への1件のフィードバック

  1. 二回生がんばりましたねー。僕らの頃より確実にレベルはあがっているはずです。情報量も格段に違いますし・・・。ちょっとうらやましいです。
    製図はかなりよくなった気がします。建築以外に進む子でも、それぞれの方向できちんとする子も増えた気がしますし。あと、ジュアラーのレクチャーはすごくおもしろいですし。
    問題は三回の前期とか、その後ですねー。学生それぞれが自発的にするべきなんだろうけど、前期に関したらちょっとつらいですねー。ためになることもあったけど・・・。
    あと、僕のパソコンは修理が必要みたいです・・・。

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