日本では、多分唯一の建築デザイン研究の助成に、ユニオン造形文化財団の建築助成があります。ユニオンという民間企業ベースに、関西のたくさんの企業(建築やインテリア関連企業)がバックアップしてつくられている財団の助成です。ユニオンのショールームは堀江にあり、これがなかなか面白い建物です。(ユニオンさんは、ドアノブなどの高級建築金物デザインメーカーです)
昨年末、そんなユニオン財団の研究助成に応募してみました。
これまで助成を受けた人びとを見てみると、大学のプロフェッサーアーキテクトが多くを占めています。ビックネームも多い。そんな中、ダメで元々、応募してみました。
お題は、
「フィールドワークとwebを用いた地域の英知の蓄積による地域景観デザイン」
バラバラになってしまった地域の景観を、フィールドワーク、ワークショップ、そしてローカルウィズダムを集めることで再構築する、そんなデザイン研究のプランを書きました。
フィールドはもちろん、和歌浦。
それがなんと認められました。
ホントにうれしい。当選のお知らせ封書をエレベーターの中で開けて、思わず大声あげてしまった程。
その授与式が21日にありました。助成を受けた人びとが全員、授与式に集まったのですが、
そこには宝塚造形芸術大学の李暎一先生。
李暎一先生は、現代建築に対する豊富な知識と批評、そして設計活動で活躍されており、私自身にとっても先輩であり、「建築における地域性」を研究している共同研究チームの中心人物の一人でもあります。同時に助成対象になっていたなんて、全く知らず会場で驚きました。
コメント返答、遅くなり申し訳ないです。
Arakiさん、
うーん、制度・政策はあまり興味は無かったりします。うざったいから(笑)。
「騒音おばさん」のような、むちゃむちゃな破壊者が出てきた時は法に訴えるしか無いけどね。
デザインコードは、地元の工務店やら設計者らが守ることが大切だと思っています。つまり、色と形、です。ボリューム制限は法規に頼らざるを得ないけど、それ以外が案外重要かな、と。GISのようなもんだけど、専門性は低くてよし。郷土生活史とmapが重なったような状況を想像しています。
浅見さん、
ぜひともかんでいただきたいのですが、
編集長のお体が心配です。
M類さん、
ありがとうございます。
M類さんこそ、果敢に実践されていると思います。情報戦がやっぱり重要だもん。
西堀江のさらに西ってところにあったユニオン、家づくり期間に何度か行きました。
しかし、ユニオン造形文化財団なんてものがあったとは知らなかった。助成授与おめでとうございます。なんかこれを読んでて自分も末端産業で自足してないで、もう少し頭使ってそれを形にすることのやれる状況を作っていかないと・・と思ってしまいました。
それ、面白そうですね。混ぜてほしいなあ。混ざる方法はないですかね?
今や、和歌山と無縁ではない編集長でした。
Arakiです。
ご返答ありがとうございました。
少し理解出来た様に思います。
地域の様々な景観デザインコード(hiraさん曰く「コモンセンス」)を発見し、それを整理・構築して、将来の当地域の景観デザインに規制を与える様、制度・政策に盛り込んでいく試みと理解しました。
(GIS等を利用するのカナ??)
以前TVで観たのですが、ドイツのシュツットガルトに『Bプラン』という地区(詳細?)計画なるものがありました。
これにすごく近いものを目的としているのかなと考えております。
それには、「屋根の色・形」、「風の道」等が指定されていました。
ただ、検証という点では曖昧な気がします。メタレベルの研究者によるということですが、どうしても彼の主観に基づくのではないかと考えてしまいます。
こう考えるのは真面目過ぎますでしょうか・・・
来年4回生になり、卒業研究&設計を行うのですが、単なる絵を描きたくないのです。拠り所に基づいた(合理的な?)絵を描いてみたいと考えています。説得力があるといいますか。。
建築家の方々は素晴らしいハズなのですが、景観となるとどうも怪しい。
建築家の方々に力を発揮して頂く様に、制度設計を目的とした卒業研究も、何となく面白い様な気がしてきましたが、これは分野が違ってきますね。。総合政策になりますか・・・
おひさしぶりです。
おお、質問だ。お答えします。
・1つ目のA:
システム構築もするけど、デザインもします。
「これこれこういうプロセスを踏んだデザイン」を狙っている。これタイトル通りです。
システムの構築自体が目的ではありません。
各要素、たとえばフィールドワークやらシャレットワークショップやらの重要性、ローカルウィズダムをネット仮想空間に蓄積して地域のコモンセンスを継承する試みの有効性は(多分)あると思っていますが、その組み合わせ方やIT技術を積極的に開発しているわけではありません。それは私の専門領域ではないから。
二つ目のA:
普通の建築計画学研究では、検証しないと実証したことにはなりませんね。シミュレーションで検証してもいいし、建物建てて実証してもいいから。建物の機能を効率化使用とする場合、さらに制度や法規をつくる場合にはそれが求められるのではないかとおもいます。
デザイン手法の研究の場合、検証はそれほど簡単にはいかないのが実情です。体裁上、行なわれることはあっても、ほとんどが「この手法の試みは成功した」と書いてある。そりゃそうでしょうけど。
今回、仮にデザインが終わり、デザインの質が高いかで検証したとしても、その質が高かった要因が、プロセスにあったのか、ある特定の個人の能力にあったのか、それとも時間に余裕があったからなのか、その判断は難しい。
このような分野の検証は、むしろよりメタレベルの研究者が、具体的計画に参加していない立場(第三者の立場)でなされるベキかな、と思います。
検証やらなくていいと思っているわけではありませんが、当事者本人が行なう検証に意味があるとは感じていません。
ゴールのイメージですか・・・
その地域が、その地域の景観に対してコモンセンスを確立すること、そのための一歩。
そのコモンセンスをデベロッパーが尊重したり、行政が制度にすりあわせたりしてくれればそれに超したことはないけども、なによりも、あるプロセスを経た上で、景観デザインを形にすることがゴールであることは変わりありません。
Arakiです。
大変お久しぶりです。
助成授与の件、大変おめでとうございます。
さて、早速なんですが、2つ程質問があります。
一つ目:
応募タイトルと簡易な概要を拝見した限りでは、デザインを行うのかデザインシステムの構築なのか分かりません。
二つ目:
研究というのは検証も考慮しないといけないのではないかと思われます。
計画系において、研究というのは、結果を示すのみで構わないのでしょうか??
どの様なゴールをイメージされてるのか教えて頂けないでしょうか??
お忙しいところ大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご返答頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。