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「近代建築」卒業設計特集号・小西正人作品 推薦の言葉

さて,今年の和大の卒業設計。
最優秀が二人。
竹内悠人と小西正人。
「近代建築」に掲載することになったのは,小西。
優劣つかなかったから,彼ら二人で決めたんだとおもう。
学校計画だ。

タイトル:「子どもたちは,木をそだて,色を育てる。」
■推薦のことば
和歌山大学システム工学部環境システム学科助教 平田隆行
素晴らしい学校とは,なによりも哲学とプログラムの素晴らしい学校である。
K学園はニイルの教育理念を継承する山間の小中高一貫校で,公立校とは全く異なるプログラムで運営されている実在のオルタナティブ・スクールである。「工務店」や「料理店」と呼ばれる異学年混在のクラスで構成され,自主性をきわめて尊重したプログラムで運営されている。
この学校を調査した時の衝撃は忘れられない。集まったり,佇んだり,話したり,読んだり,描いたり,測ったり。校舎の至るところで多様なアクティビティが発生していた。様々な空間が生まれては消え,子どもたちは感覚を解き放ち,興味をかき立てられるものを見つけてはそれに熱中していた。多くの建築家が目指し,しかしながら創りだすことの出来なかった学校の風景がそこにあった。地元大工の建てた木造トラスの建物で,この風景が実現していたことに驚いた。
しかし,学校はプログラムだけではない。小西君らは観察によってプログラムとアクティビティ,そして空間がどうに結びついているのかを調べあげた。アクティビティの成立要件を知り,問題点を見つけ出した。そうして代替計画に取り組んだ。
まず,室内で完結していた構成を改め,屋内外が交流する空間に変えた。そして「つくりつづける」ことを前提とした計画へ変えていく。この学園はもともと,自分たちの環境を自分たちの手で創ることが教育の中に取り入れられている。果てしない改善と変更がなされる余地を,計画の中へあらかじめ盛り込んでいく。
素晴らしい学校建築とは,その学校の持つ哲学とプログラムが空間として見事に結実している建築である。「空想的」なプログラムを組んでしまいがちな卒業設計に対し,小西君は実績のある(それゆえに厳しい条件を持つ)既存のプログラムに取り組んだ。そして教育理念と空間が一体化した,すばらしい学校ができた。小西君の健闘を称えたい。
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過去の「推薦のことば」一覧
08年度・羽山
07年度・世良
06年度・山本恭史
05年度・木村
04年度・本調

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