13時に大阪市中央公会堂にて学芸出版教科書の打合せ。
宇治田邸(本多教授作品)をもとにした、木造住宅設計手法の教科書にて「環境カルテ」を担当。なぜ地域に目を向けるのか?を解説し、その具体的手法を開示すると言うもの。
特に参考にしたのは「発見的方法」(早稲田吉阪研での呼称)。地域を見てデザインボキャブラリーを拾ってくるだけのデザインサーヴェイなどではない。またフランプトンの「批判的地域主義」とも違う。(批判的地域主義は、その地域地域での建築の工業化を言っているか、もしくは地域の建築文化をモダニズムの建築言語を用いて表現することのどちらかでしかない) そうではなく、いまそこにある環境を綿々と続く人類の創造の集積であると見なし、それに敬意を払いつつ、そこに仲間入りをすることが建築だと見なす。その地域がどちらに向かって変化しようとしているのかを感じること、今そこにある街の姿から出発させて、空間のイメージを膨らませ、望ましい街の未来を構想してみること、よりよい未来に向かうものを、地域環境をリードするものを地域に投入することが、までをめざす。
また、面白いのは、分析的に要素に切り分けて判断するのではなく、全人格的に環境に対峙して、統合的に、主観的に環境特性を把握しようとする姿勢が面白い。
さて、私にそれを文章化できるのかどうか?非常にあやしいけど、ちとやってみようと思う。都市環境設計製図Bでの、なんかやり残した感もあり、その代償としても、全力投入してみよう。
そういえば、地域を読むこと、これをずーっとやってきたのが、私の調査遍歴だったような気がしてくる。でも調査ってとてもクリエイティブな行為だと思い知ったのも事実。こういう気持ちを伝えることは果たしてできるだろうか?
明日からは北海道です。