華氏911

札幌で華氏911を見たので、一応コメント・・
1:ムーア自身が言っている通り、これはムーア自身の政治運動であり、中立的なドキュメンタリーではない。この映画はあくまで「勝手連」な米大統領選挙キャンペーン。だからかなり意図的な編集・効果が使われている。あくまでネガティブ・キャンペーン(対立候補者の揚げ足とり)。もちろんそれが悪いわけじゃないけどこれを誤解しないようにしないと。
2:アメリカ政府と親米産油国(サウジとクェート)と大企業との結びつきはブッシュ親子に始まった話ではない。石油危機のころからあった話だ。だからブッシュが辞めても、この構造は変わらない。だから、非・アメリカ有権者がこの映画を見るならば、「反ブッシュ」ではなく、「アメリカの実態」として見るべきだ。ブッシュが辞めたら済む問題じゃない。
3:ムーアがやっていることは、無知でいつも損している貧困層に「実はこうなってんだ」と教えていること。ムーアは共和党員に民主党候補者を投票させようとしているのではなく、貧困層に情報を与えようとしていることだ。貧困層にもわかりやすくするために、コメディタッチでロックな映画になっている。ワシントンポストに投稿するのではなく、わかりやすい映画にすることに、ムーアの特徴がある。
4:日本にとって重要なお宝映像が入っていた。日本では公開されなかった日本人拉致事件のビデオだ。拉致された日本人が首にナイフを突きつけられ、「切られる寸前」の映像。「自衛隊撤退」の世論が高まることを恐れた日本政府がマスコミに規制をかけ、お蔵入りになったと言われている。ネットでは出回ったらしい。当時は自衛隊派遣のばかばかしさ、理不尽さを棚に上げて、拉致日本人3名の「身勝手さ」が問題になったけど、どうかと思う・・・。そもそも拉致日本人が開放されたのは外務省の動きではなく、そういった草の根ネットワークの人たちの働きだったし、また鉄砲持った自衛隊がイラクで一体何をしたというのだろう??? とにかく、この映画見て「アメリカの犬」の日本という状況をもう一度考えなあかん。
5:オイルに依存した状況が、やはり問題なのだろう。
石油を燃やした国が富むという構造が20世紀にはあった。それが南北問題をうみ、環境問題を生み、戦争を引き起こす。リニューアブルエネルギー(風力とか)に転換することは、この構造からの脱却できるということだ。COP3京都議定書は、そのためのルールだったはず。「一人勝ち」のアメリカが「抜け駆け」している現状はホント、おかしいよな。

華氏911」への1件のフィードバック

  1. 華氏911観ました
    ショックを受けました。
    「ゆきゆきて神軍」も観ました。
    DVDになっていました。
    これもショックだったな・・
    最近、コンビニでテロに関しての本を読みました
    犬養毅など、軍部のクーデターなど・・
    二・二六事件などの少年将校の日本(母国)を思う気持ち。なんか複雑でした。歳を重ねるほど戦争の悲惨さを強く感じますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください