「技師の美学」と「建築家の美学」by 難波和彦

昼飯を食べながら、届いたばかりの「建築雑誌」を読む。原広司、難波和彦、隈研吾、安田幸一という作家系ビッグネームが名を連ねた号だった。
特に難波先生の論文『「技師の美学」と「建築家の美学」』が興味深い。目新しい話ではないが骨太だ。昨日3年生に課した課題「デザイン・マップ」に示唆を与えると思う。


基本的にはモダニズムの、「機械の美学」に代表される「構造合理主義」が、サスティナビリティーにむかい、「構造合理性」から逸脱し「サスティナビリティー合理性(ヒラタ造語)」に向かっていることを書いている。そのなかで、レイナー・バンハム、バックミンスター・フラーからロジャース/フォスターに代表される「レイト・モダニズム」に話をつなげていく。
とても面白い。
ただ、個人的には、それだけではない、と思う。
ハイテック・エコは、エコロジーとしては狭義すぎる。フェリックス・ガタリの「3つのエコロジー」に代表されるような、共生・多様性を活かした、オーガニックなエコロジーというものもあるはずだ、と思う。(それは有機的材料を用いているとかそんな意味じゃないよ)
「エンジニアの美学」として、フォスターてきな「ハイテック美学」があるけど、それはどうかな?って思うわけ。パノプティコンだし、管理社会だし、均質だし、何かを排除しているし。エンジニアの世界はもっと進んでいるはず。バイオロジーにしてもコンピューティングにしても。
次の段階の、ハイテックではない「エンジニアの美学」があるはずだし、それはこれから生まれるんでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください