ぶらくり遊歩道とまちづくり(公共権とは)

M2ミレイ氏と和歌山県海草振興局へ。
ぶらくり丁遊歩道の問題に向けて、糸口を掴むために打ち合わせる。
ことの発端は、遊歩道に面していたある飲食店がパラソル付きのイス・机を提供したことに始まる。「ご自由にお使いください」という張り紙をしてあったが、せっかくだから、と店のメニュー(生中ビールとか)も置いていた。すると別の住民から「公共空間の無断使用ではないか?」と県に通報。やむなく撤去となってしまったのである。
計画者側としてはそういった使い方を想定していたし、そもそもワークショップで「ベンチ」や「テーブル」「日除け」は要望が出ていた。(様々な都合でそれは出来なかったけど)
20041014-bench.jpg
(在りし日のパラソル・ベンチ)


今回の集まりは、県海藻振興局(河川を維持管理しています)、和歌山市(まちづくり)、社経研(シンクタンク)、和大(シス工本多ゼミ)で構成。
この打合せの目的は、
とにかく「使える」遊歩道で、行政にとっても「手間が要らず」、住んでいる人にとっても「なかなかよい」ものにするために、「使い方・管理の仕方」を考えること、だった。
世の中の公園の大半は「誰のものでもあるとすることによって、結局誰のものにもならない」空間なんですよね。それを超えること。ハードだけではなく、ソフトに手を出さざるを得ない。
(ちゅうか、ソフトを射程に入れて計画するのがこれからの建築デザイン!でしょ!)
ただし、今回は「どうするのか」を決めるのではなく、「どういう方法があり得るのか?」という可能性を打ち合わせただけに過ぎない。だって、最終的には「地元/ユーザー」が決めることだから。和大は「地元/ユーザー」と「行政・発注者」とのパイプ役に過ぎないし。そのパイプ役のために、今回の打合せが必要だったわけだ。
和大としての落としどころは、
1:管理主体を行政ではなく、地域に「権限と責任」を移譲(どこまでできるのか?どうしたらできるのか?)
2:「地元」という概念をずらす(住民でなくても、ぶらくりファンだったら引き入れる、とか)
3:「公共」という概念をもう一度考え直す(公共空間を自分の「場所」にする方法を!)
こんなところだった。
気をつけたことは、
「行政vs和大」のような、対決姿勢には絶対にしない。お互いの理想を共有することが目的。それに向かって知恵を出し合う状況にしたい!
■結果
県からは、河川法という法律について教えて頂く。その上で河川敷をうまく活かすためにどのような方法が考えられるのかも教えて頂く。(ほとんど前例がないことばかり)河川法における「公共」の概念(反復的継続というのが、「公共性」を害することになるらしい)、その河川敷の「権限と責任」をある程度移譲する方法(「包括的占有」というらしい)も。さらさらと教えて頂ける。担当者もいろいろと考えているということ。すばらしい!!
和歌山市さんも大変協力的。社経研さんはもう「申請」のことを考え始めている。
とってもいい雰囲気で会を終了することが出来ました。
和歌山市は遅れてはいるが、それは今まできっかけがなかっただけじゃないか? という気がしてきた。自分たちが最先端だと信じて疑わない頭の固い神戸市なんかより、うんと話が通じる。ぺーぺーの助手とM2の女子学生がワーワー騒いでいることに、ちゃんと話を聞いてくれるのだから。
それにしても、ミレイ・マジックですね。
打合せ終了後のやらせ写真
(撮影:ミレイ)

ぶらくり遊歩道とまちづくり(公共権とは)」への2件のフィードバック

  1. ど、どうも
    ミレイです。
    遊歩道のこと書いていただいてありがとうございます。(というか、いつもいつもすみません)
    ここには初めて訪れやした。
    遊歩道のことは読売さんに記事にしてもらいます?
    今回は私、なんだか少し乗り気でないのですが・・・
    まだ、始まったばかりという感じだからでしょうか?

  2. 近畿建築士会のHIROBAに、本田・平田研究室として、2ページにわたって紹介されていましたね。すごいね。平田君。

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