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浦辺鎮太郎「紀伊風土記の丘・松下資料館」

  • 2019-06-11 (火) 16:28
  • 未分類
  • 作成者:hirat
松下資料館エントランス・古墳のエントランスと同じ要素で出来ている。別写真参照

浦辺鎮太郎生誕110年建築展が,10月に倉敷で,12月に横浜で開催されます。和歌山大は「紀伊風土記の丘・松下資料館」の模型製作を担当しています。https://www.urabeten.jp

資料集にその説明文を書きました。400文字では収まらず,850文字のバージョンも作りました。もちろんそちらばボツになりましたが,別ページで「コラム」を担当することになりました。

ここには,ボツとなった850文字のバージョンを載せておきます。私としては,この850文字が一番気に入っています。

紀伊風土記の丘は,和歌山市東部,紀ノ川にほど近いの岩橋千塚古墳群を中心とした考古・民俗系博物館で,アルパックによって史跡全体のマスタープランが計画された。その中心施設が松下記念資料館で,松下幸之助によって寄贈され1971年に竣工している。
この建物には3つの特徴がある。第一は建物のボリュームを小さく見せていることである。資料館は1600㎡超と,移築民家や埋蔵文化財に比べて圧倒的に大きい。谷筋のため鉄砲水に備えて建物をピロティで持ち上げられているにもかかわらず,地形を巧みに使うことで見かけの大きさを抑えている。来館者からは1層にしか見えず,屋根も見えない。そのため建物というよりも敷地を囲う塀のような印象を持たせることに成功している。第二は,異界へのゲートとして作られていることである。駐車場からは450mの歩行者専用緑道が古墳群に向かって伸びているが,その線上に資料館がまたがっている。来訪者は緑道をまっすぐ進み,塀に開けられた穴のような薄暗いピロティに引き込まれる。ピロティの中心には移設された石室が配置され,吹き抜けから印象的な光が落ちている。上部は展示室となっており,現代と古代が交差する空間である。来訪者は印象的な空間を通り抜けることで,古代へ越境するような空間体験をする。第三は,古墳というモチーフである。外装材は地元産材の紀州青石(緑泥片岩)が使われているが,これは古墳の石室に用いられている材料である。エントランスはシンメトリーな構成で左右に石垣が伸び,中央に暗い入り口が口を開ける。中に入るとピロティの床仕上げは砂利敷で土の匂いが立ち込める。この空間構成は明らかに横穴式石室である。そしてまさにその方向通りに,移設石室がピロッティ中央に配される。ピロティ壁面には半割り丸太を用いた荒々しい格子が,窓には銅鐸の模様を模した面格子がつけられており,これも古墳を強くイメージさせている。(平田隆行・和歌山大学システム工学部)

空撮,緑道をまたぐゲートとして建てられていることがわかる。
古墳の入り口。資料館のエントランスと同じである。
紀州青石の石室内部。資料館にも青石がふんだんに使われている。
外壁に使われている紀州青石 この建築の特徴となっているが,石室がそのモチーフであろう。

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