南海トラフの地震は,東海(駿河湾)・東南海(御前崎沖から紀伊半島沖)・南海(紀伊半島沖から四国沖)の大きく3つの震源域にわかれます。この3つの震源域は同時にずれ動くこともあれば,時間差で動くこともあります。1707年の宝永地震は同時に起こり,1854年の安政地震では32時間の時間差がありました。さらに1944年と1946年の昭和地震では2年もの時間差がありました。過去の地震履歴からは、東南海の震源域がずれ動いた後に南海の震源域が動くことがわかっています。時間差は同時から2年と幅はありますが,ずれ動く順序は決まっているようです。
さて,問題はこの時間差です。仮にいま東南海で地震が起こったとしましょう。南海地震はまだ発生していませんが,時間差で発生することは確実ですので警戒しなくてはなりません。学校は休校になるでしょうし,公共交通機関も運休するところが増えるでしょう。職場では危険性のある機械を止め,船舶は沖合で津波を回避しようとするはずです。津波の浸水域にある住宅では避難が呼びかけられ,高台の避難所で過ごすことになるはずです。